「一気呵成」という言葉を目にして、「どう読むの?」「どんな意味?」と疑問に思ったことはありませんか?
とくに文章やスピーチなどで使われることが多く、日常生活ではあまり耳にする機会がないかもしれません。
たとえば、「一気呵成に書き上げた小説」といった使い方を見かけても、具体的にどんな状態を表しているのかイメージが湧きにくい人もいるでしょう。
結論からいえば、「一気呵成」は物事を途中で止めず、一気に最後までやり遂げる様子を表す四字熟語です。
本記事では、その意味や使い方、類語、例文まで丁寧に解説します。
読み終えるころには、「一気呵成」を正しく理解し、文章に自然と取り入れられるようになるはずです。
さっそく、「一気呵成」の基本からみていきましょう。
一気呵成とは?読み方と意味を解説

「一気呵成(いっきかせい)」は、物事を途中で止めずに一息で一気にやり遂げる様子を表す四字熟語です。
「一気」は一息で、「呵成」は大声で叱りながら詩を一気に読み上げることを意味します。
このふたつの言葉が組み合わさり、「間を空けずに勢いよく物事を完了する」という意味になりました。
読み方が難しいこともあり、「いっきがせい」と誤読されることもありますが、正しくは「いっきかせい」です。
この言葉は、詩文を書くときなどに、途中で手を止めずに勢いのまま書き上げる姿を表現するために用いられてきました。
現代では文章作成に限らず、プレゼンや作業など、何かを一気に仕上げる場面でも使われます。
たとえば、「一気呵成に報告書を作成する」といった使い方がされます。
つまり、スピード感と集中力をもって、一気に物事を終えるイメージがある言葉といえるでしょう。
一気呵成の由来と語源とは?
「一気呵成」の語源は、中国の古典文学『文選』にある記述から来ています。
この中で「呵成」という語は、大声で一気に詩文を読み上げる様子として登場します。
具体的には、呼吸を乱さずに大声で一文を読み切ることを表していました。
日本においては、これに「一気」を加えることで、集中して物事を一気にやり遂げる様子を表すようになりました。
たとえば、江戸時代の文人が詩文や書を一気に仕上げたとき、「一気呵成の筆致」と表現されることがありました。
このように、「一気呵成」という言葉は、古典的な背景を持ちながらも、現代においても使われ続けている表現です。
古くから「集中して一気にやること」の象徴として、知的なイメージも持ち合わせているといえるでしょう。
一気呵成の使い方と例文を紹介

「一気呵成」は、ビジネスや学業、創作活動など幅広い場面で使えます。
特に、短時間で集中して物事を終わらせた場合に適しています。
例文をいくつか紹介します。
「彼は締切前日の夜に、一気呵成でレポートを仕上げた」
「スピーチの原稿を一気呵成に書き上げる姿は、まさに集中力の賜物だった」
どちらの例でも、「途中で止まらず、一気に終わらせる」行動が強調されています。
また、比喩的な使い方として「プロジェクトを一気呵成に進める」といった表現もあります。
この場合、「休まず一気に成果を上げる」ことを示します。
なお、似たような意味でも「慎重に一歩ずつ進める」という場面には使われません。
勢いとスピードが伴う状況に限って用いるようにしましょう。
状況に応じて正しく使うことが、表現の精度を高めるために大切です。
一気呵成の類語と使い分け方とは?
「一気呵成」に似た意味を持つ言葉には、いくつかの類語があります。
たとえば、「電光石火」や「迅速果断」が挙げられます。
「電光石火」は、非常に素早い動作や対応を意味し、「迅速果断」は迷わず素早く決断する様子を表します。
また、「一気に」や「一挙に」といった副詞も近い意味を持ちます。
文章のなかで使い分けることで、表現の幅が広がります。
「一気呵成」は、行動そのものを勢いよく成し遂げるときに適していますが、「電光石火」はそのスピードに注目したいときに使うのが適切です。
たとえば、「一気呵成に片づけた部屋」と言えば、集中して一度に掃除を終えたことを強調します。
一方で、「電光石火の反応」といえば、すばやく対応したことに焦点があるわけです。
このように、ニュアンスの違いを把握しておくことで、より的確な表現が可能になります。
まとめ
「一気呵成」とは、物事を一息で勢いよくやり遂げることを表す四字熟語であることをお伝えしました。
文章や作業を中断せず、集中力をもって取り組む姿を表す際に、ぴったりの表現といえます。
・読み方は「いっきかせい」で、「一気に」「呵成に(大声で一気に詩を詠む)」が語源です。
・例文や類語を理解することで、状況に応じた使い分けが可能です。
表現力を磨くためにも、こうした言葉の使い方を学び、日常の文章や会話に取り入れてみてください。