空から降ってくる氷の粒、ひょうとあられ。
一見似ているように見えるこの2つの現象ですが、実は大きな違いがあります。
この記事では、ひょうとあられの違いについて詳しく解説していきます。
気象現象に興味がある方はもちろん、天気予報をより深く理解したい方にも役立つ情報をお届けします。
ひょうとあられの基本的な違い

ひょうとあられは、どちらも空から降ってくる氷の粒ですが、その特徴は大きく異なります。
ここでは、形状や大きさ、発生条件、そして降り方や音の違いについて詳しく見ていきましょう。
形状と大きさの違い
- ひょう
- 形状:球形または不規則な形
- 大きさ:直径5mm以上(大きいものは数cm)
- あられ
- 形状:球形に近い
- 大きさ:直径5mm未満
ひょうは層状の構造を持ち、中心を切ると年輪のような層が見られます。
一方、あられは内部が均一で、雪の結晶が丸くなったような構造をしています。
発生する季節や条件の違い
ひょうとあられは発生する季節や気象条件が異なります。
- ひょう
- 季節:主に春から秋(特に梅雨時や夏の雷雨時)
- 条件:強い上昇気流を伴う積乱雲の存在
- あられ
- 季節:主に冬から春
- 条件:寒気の流入による大気の不安定
降り方や音の違い
ひょうとあられは、降り方や地面に当たったときの音も異なります。
- ひょう
- 降り方:激しく、短時間
- 音:大きな衝撃音
- あられ
- 降り方:比較的穏やか
- 音:軽い音、時に「サラサラ」という音
ひょうの特徴と形成過程

ひょうの定義と特徴
気象庁の定義によると、ひょうは「直径5mm以上の氷の粒」を指します。
ひょうの特徴は以下の通りです:
- 大きさが不均一
- 表面が透明または不透明
- 層状構造を持つ
ひょうが形成される仕組み
上昇気流の役割
ひょうの形成には、強い上昇気流が重要な役割を果たします。
積乱雲内部の強い上昇気流が、氷の粒を上下に移動させ、成長を促します。
凍結と融解の繰り返し
- 雲粒が凍結して小さな氷の粒になる
- 上昇気流で持ち上げられ、水滴と衝突して大きくなる
- 下降して部分的に融解
- 再び上昇して凍結
この過程を繰り返すことで、ひょうは層状構造を形成し、大きく成長していきます。
あられの特徴と形成過程

あられの定義と特徴
あられは、直径5mm未満の小さな氷の粒を指します。
主な特徴は以下の通りです。
- 大きさが比較的均一
- 表面が白っぽく不透明
- 内部構造が均一
あられが形成される仕組み
過冷却水滴の関与
あられの形成には、過冷却水滴が重要な役割を果たします。
過冷却水滴とは、0℃以下でも凍らない状態の水滴のことです。
雪の結晶からの変化
- 雪の結晶が形成される
- 雪の結晶が落下する過程で過冷却水滴と衝突
- 過冷却水滴が凍結して雪の結晶に付着
- 球形に近い形になるまでこの過程を繰り返す
ひょうとあられの見分け方

外見での判別ポイント
- 大きさ:5mm以上ならひょう、5mm未満ならあられ
- 形状:ひょうは不規則、あられは球形に近い
- 透明度:ひょうは部分的に透明、あられは白っぽく不透明
降る時期や気象条件による判別
- 季節:夏ならひょうの可能性が高く、冬はあられの可能性が高い
- 気象条件:激しい雷雨ならひょう、寒気の流入時はあられの可能性が高い
専門家による判別方法
気象の専門家は、レーダー観測や気象衛星データを用いて、ひょうとあられを判別します。
また、現地での観測や住民からの報告も重要な情報源となります。
まとめ
ひょうとあられの違いを理解することは、単なる気象知識にとどまりません。
その意義は以下の通りです。
- 天気予報の正確な理解
- 農作物や建物の被害予防
- 気象現象への興味関心の深化
- 防災意識の向上
ひょうとあられ、似て非なる2つの氷の粒。
その違いを知ることで、私たちはより豊かな気象の知識を得ることができます。
日々の天気予報をチェックする際に、ひょうとあられの違いを意識してみてください。